今月の一句 作らずに…【2008.06】 |
グループホーム第2 鈴木 美貴子
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作らずに 写る顔には 真の声 待っているよで 残せた一枚
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先日、他の施設に入居が決まった
タツ子さんが、デイサービス最後の利用の日に会をやった。さよならの会ではなく待ってるよ会。来年、銀河の里に小規模特養が出来る予定なので、ぜひ入居してもらいたい、また
タツ子(仮名)さんと過ごしたいとの思いから待ってるよ会を開いた。タツ子さんは「いがね」と言う。また会える、会いたいとは思っているがやはりどこか淋しい、ほぼ毎日利用していたので余計だ。おやつを食べた後、みんなで
タツ子さんを囲んで写真を撮った。その時、カメラを向けてくれたスタッフのかけ声がなんか嬉しかった。カメラを意識して写るとなんか不自然な表情、作り笑顔になる事が多い。そこでカメラマンの一言が決まった。そのスタッフが発した言葉は「待ってるよ!!」だった。早速、
タツ子さんに渡そうと印刷した写真をみて、嬉しくなった。「待ってるよ!!」そうだ、待ってるよタツ子さん。また会いましょう。だよね。
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ありがとう 頬の温もり 感じつつ あなたの思い 伝わる思い
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ショートで来た正志さん(仮名)との入浴。正志さんはお風呂好き。以前はショートで朝昼晩と3回は入浴していたが、最近は体調が良くないので長湯をひかえ様子を見ながら入浴してもらっている。人の手を借りたくない人なので私はどういう形で見守りや介助に入ったらいいのかと考えていた。
正志さんのペースで入浴してもらいながらまずは浴室で充分話をしたあと、体を洗って、湯舟へ。「お姉ちゃん、ありがとう。貧乏屋に生まれたけど今はこうして山の湯っこさ入れてもらってありがとう。」と
正志さん。そして「後はいいから。お姉ちゃんもう行って」と言う。悠々と湯舟に浸かっている姿をみて、見られてるのも嫌だよなと思い、浴室の隣の脱衣場で待つ。「あ〜あ」と顔を洗いながら気持ちよさそうな声が聞こえる。ちょっとしてから「
正志さん、そろそろあがらねっか?」と声を掛けると「今あがる」と返してくれる。
脱衣場で服を着終わると私の腕を掴むので、立ち上がるのかな??と思ったがそうではなく、掴んだ腕を自分の頬に寄せて「ありがとう」と言う。暖かさが伝わって、暖かい気持ちになれた。人の手はかりたくないと頑固な所もあるがその時の感謝の顔は、ああやって気を張っていないと自分として居られないのかなと感じた。感謝の気持ち、言葉と体温で伝わる。暖かかった。
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