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銀河さんさ隊【2010.09】

厨房 小野寺 祥
 

 私は短大のとき盛岡さんさに参加して5月から練習をはじめ、夏はさんさ一色だった。里の採用試験もさんさ一色でほとんどさんさの話で終わってしまったことを覚えている。
 そんな流れから去年の夏祭りの機会に銀河さんさ隊を結成した。太鼓、笛、踊りの音が重なり合いつたないながらも利用者さんにも好評だった。今年もさんさの季節がやってきて、太鼓3名、踊り5名、笛1名の里スタッフで銀河さんさ隊を結成した。
 練習をはじめたのは6月下旬。週に1、2回の練習を行った。みんな勤務の合間の練習なのだが、前向きな雰囲気で、嫌々の練習にはならず、日に日に自然と盛り上がっていった。
 積極的に練習に集まってくれるスタッフ、太鼓の音色に誘われて遊びに来てくれる利用者さん。練習時間が遅いこともあったので、練習前にG1に挨拶にいくのだが、「今日も頑張るのね。後で見にいくからね」と声をかけてくれる利用者さんに元気をもらい、練習場は明るくなる。
 そんな勢いや支えがあるからか練習はびっくりするくらい早く完成へと突き進む。DSの鮎美さんは、初めてさんさの太鼓を叩くのだが、普通は早くても一ヶ月はかかるのに、2週間ほどで踊れてしまった。また、今年は笛を、尺八を吹ける特養の育美さんにお願いした。盛岡さんさの笛の動画を見てすぐに吹けてしまうのだ。踊り子のスタッフさんも今年はミスさんさの踊りを撮ったDVDを参考に手の先、腰の動きまで熱心に練習を進める。去年とは違った、踊りの質の向上をはかることができた。また、去年夏祭りが終わった後にもっといろんな踊りを踊りたい!!という、思いがあったため、今年は去年披露した七夕くずしの他に、栄夜差踊りの披露に向けて頑張った。また今年は見せるさんさのほかに、参加するさんさと輪踊りにも力を入れた。
 7月下旬、盛岡さんさも近づいてくる。里のさんさメンバーで本場の盛岡さんさを見に行きたい!という声が上がった。そこで8月3日に4人のさんさ隊メンバーで盛岡に出かけた。この日は私が短大時代に踊った盛岡大学が参加する。今年は6年連続最優秀賞を獲得している岩手大学とぶつかるため、盛岡大学は気迫が違った。中央通りのスタート地点から少し行ったところで見ていたのだが、盛岡大学の踊りが近づくにつれて人の足が止まり、空気が変わった。地鳴りがして、一糸乱れぬ太鼓の動きと迫力、手の先まで神経の行き届いた踊りの美しさと笑顔。こんなにも美しい音色が奏でるのか!と思ってしまう笛の音。2年前まで自分もこの中で踊っていたのかと思いながら圧倒された。踊りをゴールまで見ていたいと思い鮎美さんと手を取り、走り出していた。そしてゴールで、ぐしゃぐしゃになった顔で抱き合っている現役をみて涙がでてきた。盛岡大は今年念願の最優秀賞を獲得した。帰りの車で「今度は私たちの番だね」と言葉がでた。


 7月22日、運営推進委員会で、プレ披露。目の前で「おいしょ!!がんばれ!!」と一緒に踊ってくれる守男さん(仮名)に力をもらった。本番の前日、各自準備に忙しかった中、全員集まることができた。本番の披露の場所でもあるDSの前で練習をした。みんなの笑顔、迫力に感動した。


 待ちに待った当日。30度をこえる真夏日だった。披露の時間が近づくにつれて緊張が襲ってくる。いよいよ本番。太 鼓、笛、踊りの中で、みんなの笑顔と掛け声。その中で、「いいぞぉ!!」と守男さん。緊張の中で、今までの思いが込みあがってきて、みんなの笑顔をみて涙がでる。
 盆踊りの後に、もう一度輪踊りをして利用者さん、スタッフと一緒に踊ることができた。自然と出る掛け声、夏の暑さが吹っ飛んだ。
 その後、特養に出向いて披露した。「待ってました!」と拍手で出迎えてくれて、何度もアンコールがなる。「そったな汗かいてやるんだな」とフユさん(仮名)。「あんたチャラチャラしている子だと思ったけど、ちゃんと踊るのね」と笑いながら涙を流してくれる邦恵さん(仮名)。「良かったよ」とたくさんの利用者さんが手を取ってくれて、胸がいっぱいになる。大成功の夏祭りと銀河さんさだった。
 後日、DSでも披露した。始まる前「はやくだよ!」といつものごとくせかしていた幸子さん(仮名)だったが、踊りが始まるとすやすやと眠ってしまっていた。居心地がよかったのだろうか?このDSの披露を終え、今年の銀河さんさ隊が終わり、私の夏もおわった。だが、来年暑くなればまた、胸がうずうずしてきて、夏が始まる。生まれたばかりの銀河さんさ隊だが、これからも上を目指し、成長していきたい。今から来年の夏が楽しみだ!!


みんなで楽しんださんさでした
 

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