今年の2月から、デイサービスを利用しているメイコさん(仮名)。メイコさんは、一見とっつきにくい感じがするのだが、とてもユーモアのある人で、近頃はいろんな表情を見せてくれる。
利用当初の頃は、おやつ作りなどしていていも、ひとりで、置いてあるチラシを縦、横揃えて整理したり、チラシをくるくると丸めていたり、またそれらを持ってホールを歩いたりして過ごしていた。メイコさんとつながりたいとスタッフが声をかけても、メイコさんは「何す?!」と怒って、突き返していることが多かった。ばかにされている、とメイコさんは感じるようだった。でも、怒っても次の瞬間には笑っていたりと気持ちの切り替わりが早いのもメイコさんだ。
一ヶ月が過ぎて、最近はひとりでチラシを整理していることは少なくなり、他利用者さんやスタッフとのかかわりも増えてきた。声をかけると怒ることはあるのだが、それ以上に言葉でもつながれる感じもでてきて、こちらの言葉がメイコさんに届いている感じがする。スタッフの脇山さんが、メイコさんとつながろうと歌を歌うと自然とメイコさんも口ずさんだり、へっちょこ団子作りをそばで見つめ、ちゃっかりつまみ食いしていたり、みんなと風船バレーしたり、一緒にテレビを見たり。スタッフの畠山さんが踊りだすと、メイコさんもだんだんに手足が動いてきて、ふたりで向かい合って、息もぴったりに踊るひとときもあった。踊り終わると、畠山がメイコさんを抱きしめ、メイコさんは少し照れながらも嬉しそうな表情だった。
環境や人、雰囲気に慣れたこともあるのか、優しくほほえんだり、笑ったり、舌をべっと出しておどけた表情も見せてくれる。歩きながら、「ホッ、ホッ、ホッ、ホ〜ホケキョッ」と言って、笑わせてくれたりもする。ゆっくりとこころを開いてくれているような気がする。これから、どんなメイコさんに出会えるだろう。とても楽しみだ。
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