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今月の一句 『運営推進委員会での歌会』【2010.02】

グループホーム第2 鈴木 美貴子
 


琴の音と この手の響き 感じつつ 雪の白さと みかんの甘み 
 

 グループホームでは運営推進会議を2ヶ月に1度持つことになっています。これは全国にグループホームが急増していくなかで(10年で1万カ所設置された)、非人間的な扱いに陥るひどいところが数多く出てくるので、業を煮やした苦肉の対応として利用者や家族、行政などの関係者を交えた協議会として運営推進会議の開催が義務づけられたものらしいのです。こんな堅苦しい名前をつけた協議会で何とかしていこうなんて発想からは管理的な無機質なモノしか生み出せないような感じがします。どうせやらねばならぬのなら、実のある楽しいモノにしていきたい・・・そこで1月は委員のみなさんに川柳または俳句をもち寄ってもらい、新年の「歌会」をしようということになりました。お題は「雪、もち、正月」でみなさんそれぞれの思いを詠んでもらい、琴の響きをバックに披露し合ったのでした。
 会場も炬燵に座り、琴の調べを聞きながらと正月の雰囲気を演出しました。はじめは簡単に報告をしていましたが、武雄さん(仮名)が「そろそろ本題に入りましょ」と一声。そこからまた雰囲気が変わり「歌会」に入っていきました。
 私は豊子さん(仮名)の隣に居たのですが、豊子さんが私の手を握ってくれたまま琴の音を聞きました。琴の風流な調べと豊子さんの手のぬくもりで私は気持ちがいっぱいになりました。私も今の思いを一句にと張り切っていたのですが、胸がいっぱい、頭がいっぱい、手も握ったままで、その場では句や歌を表現できませんでした。
 でも、あとで、その時琴の調べとともに感じた、繋いだ豊子さんの手のぬくもりや、豊子さんの表情を通して通じた気持ちなどを留めておきたいと思い、今回この一句をうたいました。
 


こたつで琴を聞きながら
 

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