トップページ > あまのがわ通信 > 年越しうどん


年越しうどん【2010.01】

デイサービス 小田島 隆生
 

 淡いピンク、赤、黄緑、水色、白、黄色。こんぺいとうは小さくて、ごつごつしていてでもしっかり甘い。わあ懐かしい、と思ってついつい食べたくなる。その甘さに、わくわくし、その一粒一粒に夢や思い出が詰まっているように思えるこんぺいとう。
 そんなこんぺいとうみたいな甘くて優しい(時には唐辛子入りもある)、そのいろんなものとの出会いがこの銀河の里にもたくさんある。わくわくしたり、もうどうしようもなく悲しくなったり、心が握りつぶされそうな衝撃を受けたり。全部、何かに出会って起こることである。それは当たり前のことなのに、心に受けてみないと分からない。そういうものがあるということさえ、気づかない。そしてそういう人間と人間の関係は、時に言葉など必要としない瞬間がやってくる。それは私が思う「ふふふんな関係」なのだけれど、そんな関係が確かに存在している映画や小説などの作品をこのコーナー「寛恵のこんぺいとう日記」で紹介していきたい。


 今回紹介するのは映画『めがね』。
 この映画は、出てくる人たちがみんな眼鏡をかけている。そしてその人たちがなにやら五人並んで体操している写真がDVDの表写真となっているのだ。その五人、小林聡美、もたいまさこなど一度見たら忘れられない濃い面々である。 (なんなんだ、この映画は。さっぱり内容が読めない。)
 表写真では展開の全く読めないその映画に何故だか惹かれた。映画の中にはたくさんの珍妙な出会いがでてくる。そして映画を見てもその不思議な出会いに何度も「え?」と思ってしまう。それが出来事も人も、言葉は少ないのに妙に気になってくる。特に印象的なのは、出会いの中で何か(物や思い)を捨てる場面がある。何かを捨てるということは、何かを得ること?何を捨てるんだろうということを考えると時々怖くなる。捨てるのも悪くないけど、やっぱり怖い。そんな時にたそがれながら見るのがこの映画かなと思う。
 その人々の存在感と価値と自由さに次々と出会うので、二回目に見るとまた新しい発見が、三回目に見るとまた新しい発見が出てくるというように癖になってしまう映画なのである。 一度見たことがある人には「おかえりなさい」を、初めて見る人にも「どうぞいらっしゃい」を言ってくれるはず。心を真っ白にして、バカンスに向かう気持ちで見てほしい。 
 

あまのがわ通信一覧に戻る

このページの上部へ


〒025-0013 岩手県花巻市幸田4−116−1
TEL:0198-32-1788 FAX:0198-32-1757
HP:http://www.ginganosato.com/
E-mail:l: