私が銀河の里に来て初めて迎えたクリスマス会。なんと司会の大役を任されてしまった。人前で話すのが苦手な私だが、ワークステージから心強い助っ人、司会の天才、雅義くん(仮名)が来てくれて2人で司会をした。流れや雰囲気をイメージするだけでドキドキ‥まずはみんなに会を楽しんでもらおうと臨んだ。
当日、グループホームとデイサービスの利用者さんがホールに集まり、緊張してぎこちない司会でクリスマス会がスタートした。各部署で作ったケーキやクッキーなどの手作りのお菓子がテーブルいっぱいに並んだ。普段は歌や踊りでみんなを盛り上げてくれるサチさん(仮名)が、今日はサンタクロースに扮して乾杯の音頭をとってくれた。サチさんの「かんぱーい!!」で会場は盛り上がっていく。
スタッフがクリスマスソングの生演奏をする。ピアノを弾く充さんはとても緊張していたので、司会の私が緊張を和らげる一言‥と思うのだが、私のほうも緊張しているので言葉が出てこない。その時サエさん(仮名)から「ジングルベルお願いしまーす」とリクエストがとび出した。このサエさんの一言で雰囲気が和らぎ、みんなで大合唱。つづけてリコーダーの小田島さんが銀河の里クリスマスバージョンを披露。幸子さん(仮名)はスプーンを使ってお皿を“チンチン”とリズムよく乗っていた。リコーダーと幸子さんが奏でるベルのような澄んだお皿の音色に思わず笑みがこぼれる。最後はもとプロの照井さんのギターの弾き語り。「上を向いて歩こう」など懐かしいメロディーに利用者さんも一緒に口ずさんだ。
演奏が終わるとサエさんが立ち上がって「私も1曲いいですか?」と出てきた。「お願いします」とマイクを向けると「マイクはいらない」とばかりに首を横に振り、大きな声で「きよしこの夜」を歌ってくれた。小さな体でホール全体に響き渡るソプラノにみんな静かになって聴き入った。歌が終わると「すごーい」と大拍手が沸きあがる。サエさんも「ありがとうございました」と満足の笑顔だった。
最後は利用者さん1人1人にクリスマスプレゼント。「メリークリスマス」と渡すと「ありがとう」とプレゼントにワクワクするような表情がたくさん見られた。利用者さん同士でも「あなたのは何?」「私のはこれよ」と話して、その表情に緊張していた私もホッとしたのだった。私の司会はたどたどしかったが、雅義くんのサポートもあってなんとか無事に進んだ。利用者さん達が支え、盛り上げてくれたクリスマス会だった。
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