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お盆商戦を終えて【2009.09】

ワークステージ 関 脩
 

 ワークステージの大葉ハウスでは、1年の中で最も忙しい8月のお盆商戦を大葉が良い状態で迎えられ、出荷も無事に終えることができた。今年は去年よりも多い注文数を予定していたとおり、去年の16万枚をはるかに上回る24万枚という出荷数をこなした。 お盆を迎えるまでは、「去年のような急激な注文の嵐に巻き込まれはしないか、その注文に大葉自体が耐えられるか、人員体制は・・・。」などと、色々な事がグルグルと頭の中を駆けめぐって戦々恐々としていた。ところが去年は深夜までかかって収穫・納品をしたドタバタ劇がまるで嘘のように今年はスムーズに出荷を完了出来て自分でも驚いた。
 今年は5年目の利用者がプロとして育っていた。お盆が近くなると「今年のお盆は忙しいでしょ休まないよ。いつ出ればいいの?こっちはもう働ける準備は出来ているよ?」と問いかけてくる正美さん(仮名)、由美子さん(仮名)、春子さん(仮名)の3人がいた。また、例年はこの稼ぎ時を長期の無断欠勤を繰り返していた広行さん(仮名)も「やっぱり俺がいないとダメですよね?」と笑顔で話しかけてきて、今年は5年目で初めて出てきて収穫を大きくサポートしてくれたりと大活躍で、私のグルグル状況をはじき飛ばしてくれた。
 葉を並べる部隊と、収穫の部隊が別れているが、製品化をする人たちは次々と収穫されてくる大葉に向かい黙々と手を動かし、夕方にはドンっと山のようにパックを積み重ねてくれたし、収穫する人も森のような大葉のハウスの中に入って、カゴの中いっぱいに溢れんばかりの大葉をきれいに並べて収穫をしてきてくれた。収穫と製品化の狭間で手薄になりがちな掃除やその他の手入れも少ない人数で黙々としてくれる人がいたりして、さすが5年目みんな手慣れて一人前に力を付けたんだなと頼もしく感慨深かった。


 一人ひとりに個性があり、向き不向きや、性格や得意不得意も大いにある。相性や性格の関係から、ぶつかったり、騒いだりと怒りや涙、感情噴出の日々が続いている。毎日いざこざや騒ぎのない日はないくらいだ。でもそれはそれで凄く人間的ですばらしいことではないかと最近つくづく感じる。福祉的就労の場所によく見受けられるような、仕事をさせるために利用者を監視するかのような雰囲気とは正反対の場になっていると思う。利用者は自然に職員スタッフをあだ名で呼びかけ、親しげに話かける。職員・利用者という上下関係はまるでない。事が起こらないような管理と操作で作業をすすめる職場ではなく、これからも個々人のこころの動きや思いに関心を持って、「事起これ主義」で大騒ぎしながら挑んでいける職場でありたいと思う。
 結果的に、大きな仕事も軽くこなせる程、ひとりひとりが成長してきたことを実証し実感させられた今年の夏のお盆商戦だった。 さて、次は年末の商戦だが、この夏の経験から逞しく成長したひとりひとりに支えられて余裕でゆとりの仕事をこなせるのではないかと思うが…なにせ冬なので油断をしないで暖房等にぬかりなく、ハウス管理を徹底して臨んでいきたい。薪ボイラーの効果にも期待したい。
 

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