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初めての成功!近づく存在!【2009.08】

グループホーム第1 村上 ほなみ
 

 ミヤさん(仮名)を入浴に誘うのにいつも失敗をしている。“よし!今日こそは!”と自分に気合を入れ、いつものようにミヤさんの隣に座る。ミヤさんは、この日も孫を心配し、探していた。“いつも「孫と入るから」って断られるので、今日は私が孫になって一緒に入るって言ったらどうなる?”と思った。今日はそれで挑戦してみようと思った。
 朝からできるだけミヤさんの傍から離れずに居ようと決め、ミヤさんに私の“存在”を感じてもらうようにする。蒸し暑いのもなんのその和室の布団に抱き合って横になる。ミヤさんは、私のお腹をたたきながらリズムを刻み、しっかりと私の存在を感じていてくれているようだった。急に「オラの家さも泊りさ来〜」と頭を近づけてくるミヤさん。「いいの?」と返すと「いいよ〜。いとこ同士だもの、いいんだ〜!」と言って笑う 。
  ミヤさんは私の祖母にどことなく似た雰囲気を持っていて、私からはミヤさんは近い存だが、ミヤさんの方は簡単には受け入れてくれないだろうと思っていたので、ここで急に接近できたような気がしてうれしかった。“この調子で夕方のお風呂の時間まで・・・”とドキドキしながら過ごした。おやつが終わると入浴の時間、他の人の入浴中も、なるべくミヤさんの隣にいるようにした。どう誘えばいいのか。大きい声?小さい声?子供のように話せばいいの?とそんなことを考えているうちにミヤさんの番になり、緊張しながらも“今日は引かない”と気合を入れ直す。
 私はソファーにいるミヤさんの隣に黙って座った。しばらくしてミヤさんの方から「おばあちゃん呼ばってだ。ミッコ、ミッコってよ〜。」と声を掛けてきてくれた。そこで私は孫になりきり、「ミッコばあちゃんと一緒に湯さ入れって言ってたのだ〜。おばあちゃんはY子さん(娘さん)と2人でもっと広い風呂に行ったっけよ。ミッコばあちゃんと私はここで入るんだ〜」と言ってみた。「んで入ってもいいんだな。おめぇも一緒だべ?他のわらしばY子見るんだ。」とミヤさんの中で私がワラシになった。他のワラシはY子さんに託し、私と手を繋いで脱衣所に向かう。いつもなら脱衣所に着いた途端気持ちが変わるが、この日はすんなり入浴。「気持ちいよ〜。早く来〜。」と嬉しいことに誘ってくれている。
 これまでミヤさんの入浴ではうまくいかず悩んできたが、この日の入浴は、なんだか心のモヤモヤが一気に晴れたような気がした。私を楽しませてくれたり、悩ませてくれたり・・やっぱり、ミッコばあちゃんの存在は大きい・・・!!次に起こる出来事にワクワクしながら、また明日も隣でゆっくり過ごせたらいいなぁ☆
 


ワラシとミッコばあちゃん
 

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