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グループホームみつさんちの新たな出発【2009.08】

ワークステージ 日向 菜採
 

 障がい者グループホーム「みつさんち第二」が5月にスタートして約2ヶ月が過ぎた。「みつさんち第一」の5名に加え、新しい入居者が5人増え、10人の利用者が暮らしている。
 利用者の年齢層は20代から60代までと幅広く、そこにお母さん・お姉さん的存在の世話人さんが加わり、「大家族」のようになる。
 夕飯時になるとみつさんち第二のリビングに集まり、お調子者の広一さん(仮名)が踊ってみせたり、それに対して「何やってんだよ!バカ野郎!」と中条くん(仮名)がツッコミをいれる。二人の年齢は30歳も離れているのに、その差を感じさせない関係はどこか微笑ましい。誰かがみんなを笑わせるなどして、夕食も盛り上がり、食事が済んでも自分の部屋にすぐには戻らず、リビングで過ごしている…。ここが人とのつながりを強く感じれる、安心できる家庭のような場所でありつづければいいと思う。


 先月末、みつさんち利用者と、東和町の田瀬湖水上花火大会にでかけた。あいにく当日、天気予報は雨。中止になるかと思いきや花火が始まるまでは、なんとか天気は持ちこたえて花火大会は決行された。夜空から降ってくる花火を見て「わぁ〜!きれい・・・」と声があがる。「夏がきた」と憲武さん(仮名)とシートに寝そべって楽しんでいたに矢先に、夜空から花火ではなく大粒の雨が降ってきた・・・!たちまちどしゃ降りになり、みんなずぶ濡れになりながら人ごみをかき分け駐車場に引き返した。車に乗りひとまず落ちついて、お互いずぶ濡れになった姿を見て笑いが起こる。後部座席では広一さんが上半身裸になっている。「服濡れたから干そうと思ってよ」と恥ずかしそうに話す。たのしい花火大会が一転してずぶ濡れになってしまったが、誰一人文句を言わず、むしろそんなことも「散々だったね」といっしょに笑える。そんなみつさんちメンバーの雰囲気が、私は大好きで「いいな」と感じる。こうした雰囲気は、グループホームの生活が個々人ではなく、協力しながらいっしょに暮らしいるからこそできてくるのだと思う。
 家族と離れ、障がいを軸に他者との共同生活をする場であるみつさんち。その支援員という役職をあずかっている私だが、利用者を管理するためのグループホームではなく、いろんな人たちと何かが「つながる」経験を大事にして、これからも関わっていきたい。

 


シートに大家族が集まって



小雨の中、花火を待つ
 

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