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もらった一言【2009.06】

事務 米澤 充
 

 グループホーム第2には働き者の利用者さんがいて、食器洗い、掃除、洗濯、庭の草取り、畑仕事などなど、ガンガンと働いている。その姿があまりに自然で、パートさんが働いているのかというぐらい違和感がない。


 用事があってグループホーム第2を訪れると、ちょうど夕食後で、新しく入居したばかりのクミさん(仮名)が食器を洗っていた。4月に第1から移動した桃子さん(仮名)もテーブル拭きをしていた。「いや〜、働き者がいっぱいいて、職員は助かってるね~」と声をかけると、桃子さんは「寂しいからやってんだ〜。クミさんもきっとそうだ。ここに来たばっかりで、寂しいんだよ。オラもそうだったもの」と言うのにハッとした。


    “寂しいから働いている”?


 私はてっきり「他にすること無いから…」とか「何か手伝いたくて…」というような返答があると思っていたが、この“寂しいから”という言葉はすごく胸に残った。 寂しいから働くというのは、寂しさを紛らわすためなのかとも考えたが、言葉通りの“寂しい”ではないような気がした。

 グループホームでは、入浴や食事の時間は決まっているものの、その他に関しては各々が自由に生活している。そのような中で“働く事”を選択した利用者を見ていると、家事をする事で自分の居場所を作っているように感じられ、銀河の里に入居する前の生活を思い出しているようにも見えた。
 よく考えると桃子さんの言葉は「自分にも当てはまるなぁ」と自分の働く意味まで考えさせられた。私は寂しいから働いているわけではないが、自分の居場所を作ると言う意味では近い。
 広報をなんとか充実させたい私は、毎日たくさんのストーリーが繰り広げられている銀河の里を味気なく世間に伝えたくはないと思ってきた。利用者の動きを伝え、利用者との関わりを試行錯誤している職員の様子を伝えたい。ホームページも福祉の施設っぽくないデザインを指向し、更新を心がけてきた。
 広報業務はやろうと思えば誰でもできるし、手を抜く事はいくらでもできるが、“自分の居場所”を作り守るためにも、銀河の里の本質に迫りながら伝えていきたいと思う。
 事務職の私にとって利用者と直接関わる機会は圧倒的に少ないが、今回の桃子さんからもらった一言のように、関わりの中で得た言葉を大切にし、残していきたい。



畑仕事に精を出すクミさんと桃子さん
 

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