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居場所としてのデイサービス【2009.05】

デイサービス 藤井 覚子
 

 デイサービスでは毎日にぎやかな日々を送っている。そのデイサービスは利用者さんにそれぞれにとってどんな場所に映っているのだろう?一人一人に異なる世界があって、そこもかなり独創的な人たちが集まってくる。ある人にとっては仕事場だったり、集会所、温泉、家、病院、学校とデイサービスはいろいろなところになっている。それぞれ認識が異なっていても「あや〜おめさんも来てたってか?」と他者と出会うことで一緒に時間を共有できるのもすごいことだと思う。


 「ここさ来るのが一番いい」と話す歩さん(仮名)。毎日、デイの送迎がくる何時間も前から準備をして待ちかまえている。迎えに行くと「あや 〜、今日も来てけだってか。申し訳ない」と話してくれる。馴染みの利用者、スタッフと一緒にいると安心できる様子で、その中でお茶を出したり、他の利用者さんの話を聞いたりと、自分が必要とされたり、作業があることが心地よいように感じる。
 入院があって3か月ぶりにデイに帰って来たミチさん(仮名)は、来るやいなや雛人形を見て「あれ?何で雛人形ここさ飾ってるんだ?いっつもあっちさ飾ってたべ」と今までの感じや雰囲気をしっかりと覚えていてくれたのに驚いた。顔や名前は忘れても、デイという場がちゃんと居場所になっているんだなと久々にやって来たミチさんの言葉から感じ取れて嬉しかった。
 ある日、二日間のショートから帰ってきた幸子さん(仮名)の第一声は「ただいま〜」だった。迎えるこちらも思わず「おかえり〜」と返す。ほぼ毎日デイサービスに来ている幸子さんは、休みの日も「銀河の里に行く」と言うことがあるらしい。デイのスタッフとしても嬉しいことだ。日によって気持ちに波があり、落ち着かない時間もある幸子さんだが、「私の家だから入っていいよ」と他の利用者さんに声をかけることもあるほど、なんとかデイが居場所になっているようなのでありがたい。
 「ここに来るのが楽しみだ」「銀河にいきます」といった利用者さんのこの言葉に、ホッとするし、励まされる。
 デイに来る目的や楽しみはそれぞれ違っていても、日々何かが生まれ、発見もある。これからも1 人1人にとってデイが心地よい居場所として過ごせる場でありたいと思うし、また他者と出会う中で何が生まれるのかを楽しみにしていきたい。
 

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