トップページ > あまのがわ通信 > 銀河の里に来て


銀河の里に来て【2009.02】

グループホーム第2 澤田 章希
 

 私は介護福祉士養成の学校を卒業して施設に就職した。そこはユニット形式の特養だったが、自分が望んで進んだ道だったはずなのに、数ヶ月で苦しくなり行き詰まりを感じた。何もかも不自由な感じで身動きのとれない状態になり、職場は私にとって閉じこめられた牢獄になってしまった。上司や同僚ともうまくいかず傷ついて半年で退職した。
 挫折に打ちしおれているわけにもいかず、傷の癒えないまま昨年11月から銀河の里で働くことになった。前職のつまずきに当初は不安だったが、その不安はまもなく払拭された。銀河の里は以前の職場と違うどころか、私の頭にあった「施設」の概念が覆った。うまく言えないが、介護を作業としてこなしていないのに驚いた。利用者もスタッフも一緒に生きている感じなのだ。 スタッフも極めて自然体で「介護します」という見せかけの勢いに飲み込まれてないので、楽な気持ちでその場にいることができる。
 しばらくして利用者のモトコさん(仮名)と私は本気でぶつかった。それがとがめられないどころか、スタッフは我々両方が傷つかないようにそのぶつかりを見守り、支えてくれているのが感じられる。こんな人の支えを今まで生きてきて感じたことはなかった。
 それは生まれて初めての、家族以外の人との本気のぶつかりだったと思う。正直、身内とぶつかるより疲れた。モトコさんが、私に絡んできたのが始まりだが、今思えば、これまでに出せなかった自分の一端をモトコさんが引き出してくれたのだと思う。以前勤めていた施設では自分は戦うことさえできず挫折したのだ。本気でぶつかれた自分に驚く。まだまだ自分の知らない自分が居るようだ。里の守りに支えられて、自分を少しずつ出して行けるなら、自身の内面的な成長が期待できるかもしれない。
 

あまのがわ通信一覧に戻るる

このページの上部へ


〒025-0013 岩手県花巻市幸田4−116−1
TEL:0198-32-1788 FAX:0198-32-1757
HP:http://www.ginganosato.com/
E-mail:l: