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餅米の手刈り日和【2008.10】

グループホーム第2 近藤 真代
 

 春、皆で植えたもち米の小さな苗を見ながら「次は稲刈りだね」と行っていたが、あっという間に実りの秋、もち米の手刈りの季節がやってきました。
 植えた時のように、その日も暑いくらいの快晴。「稲刈りだな」と以前から力の入っていた、豊さん(仮名)は待っていられない様子で一足先に行ってしまった。追いついてみると、頭にタオルをかぶり田んぼの中に座ってじっと様子を見ていた。私は遅めに行ったので、「ここは自分が植えたところだな」と思っていたところはもう刈り取ってあって、はせ棒にはもう稲の束が半分以上かかっていた。「今日中に刈り終わってしまうかな?」と豊さんに聞くと「んだな。終わるんだ」と監督のよう。暫く私の隣で作業の様子を他の利用者の方たちと共に見ていた。
 手植えの時もそうだったが、刈る人、稲をかける人、それを見ている人、こびるを配る人、皆それぞれが動いていて、“祭り”という印象をうける。いつもは車から出ないサチさん(仮名)も出てきて、歌を歌ってくれた。その日のサチさんの歌は、いつもと同じ歌なのにお祭りで聴く民謡のようだった。出かける前に「今日は稲刈り祭りだ」という言葉を聞いていたが、祭りを実感しながら、かき氷を食べた。


 後日、石鳥谷の田んぼでの稲刈りで、こびる届けに行ったのだが、豊さんは「行くぞ。鎌もったか?」と立ち上がり、本当に稲刈りを始めていた。95歳とは思えないパワーに私は圧倒される思いだった。1・2束刈ったところで理事長のコンバインに任せ、他の利用者さんたちも作業をじっと見ていた光景も印象に残った。“仕事を引き継ぐ”と言うのはこういうことなのではないかと思った。それから豊さんの仕事は終わったのかニコニコ顔の普段の豊さんに戻っていた。
 “沢山の過程を経て、もち米も私も成長していければいいと思う。”と手植えの時に書いたのだが、もち米はしっかり成長していたけれども…私はどうなのだろう?春に比べれば、少しは成長できているのかなぁと刈り取られた田んぼを見ながら思った。
 



 

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