トップページ > あまのがわ通信 > お盆商戦!!


お盆商戦!! 【2008.09】

ワークステージ 関 修
 

 銀河の里のワークののハウスは600坪あり、約5000株の大葉を栽培している。大葉は刺身のツマや天ぷらの盛り合わせの一番端といった脇役。スーパーでも野菜コーナーの端に陳列されるが、かといってないわけにはいかないのが脇役で、特にお盆と正月には需要が高まる。


 銀河の里では6年目にしてこの最盛期を、生育がほぼ万全の状態で臨むことが出来た。今までは、栽培技術が未熟で、原因の分からない症状で枯れる→また植える→また枯れる→またまた植えるの繰り返しで、出荷に忙しいはずの時期を、種まき・苗作りに翻弄され毎年右肩上がりで赤字を累積…。遂に枯れる原因がたった0.1mmの虫だったことを昨年やっと突き止めた、これがまた敵ながらおもしろい虫なのだが、長くなるので今回は伏せておく。


 さて初めてお盆出荷を迎えたわけだが、出荷先からはあらかじめ「すごい数量になりますから覚悟して下さい。」とは言われてはいたものの、あまり実感はなかったが、実際に出荷予定表を見て最終的に出た数が8日から15日までの8日間で20万枚。その数に「嘘だろ?」と、いつも数字には弱いので、今回も何かの間違いだろうと何度も数字を確認するが、計算機にはパック数で何度やっても2,000の数字が表示される。 この数は、毎日収穫できる大葉は多くても12,000枚が良いところ。200,000枚という数を8日で割ると1日に25,000枚を収穫しなくてはいけない。備蓄しておいた60,000万枚、を引いたとしても毎日18,000枚を収穫しなければならない計算だ。これは寝ないで収穫するしかないと、大葉と共に寝起きする生活が始まった。夜は日が残っているギリギリまで収穫、朝は4時から収穫をはじめた。時には収穫しながら無意識に寝ていることもあった…。パートさん、ワーカーさん達も時間を延長して頑張ってくれてた。夜も収穫は続き、最終的には銀河の里のスタッフにも総動員となった。


 最も激しかったの8月11日。その日の出荷は79,000枚、夜11時の時点で残りはいくらか・・・。計算してみると“0”と出た。「やった!」と思いきや計算違い。再計算してみると“3,000”足りない、理事長も含め5人で再度真っ暗なハウスへ入る。


 午前1時、やっと数がそろう。これで納品できる、その数は723パック、いざ納品先の配送センターへ、その時点で時計はAM2:00。眠気も限界で納品先へ到着。納品先での検品。受け荷担当者は元気よく「はい563ね、OKです」。「えっ?」と背筋が寒くなる。いや723のはずなんですが。「あれじゃもういちど数えますね」と再度確認してもらうが、「やはり563ですよ。どこかにおいてきたんじゃないですか。」そんなわけはないと思いながらも、確認してみますと一旦引き下がる…。戻りながら…、「冷蔵庫!?」冷蔵庫に入れたのがあった。もう朦朧として、完全に忘れてしまっていた。その数が160パックそのものだ。再び持ち込み、時計はAM2:30検品終了。こうしてこれまでで新記録の出荷がおわった。その後30分仮眠して、そのまま金ヶ崎の別の市場まで出荷に向かったのだった 。


 こんなてんやわんやで、お盆商戦をパートさん、ワーカー、銀河の里のスタッフ総力戦で乗り切りることができた。大葉の栽培に関しては少しは技術を蓄えてきたとは思うが、まだプロと呼べるには到底及ばないと痛感したお盆だった。次は正月の第2ラウンドが控えているのできちんと向き合いたい。出荷先からは「夏の出荷量なんてもんじゃありませんよ?」と予告されている。冬場なので温度管理など、夏とは違った管理要件が入ってくる。大葉も自分もベストの状態で正月の大商戦を迎えたいと思う。
 

あまのがわ通信一覧に戻る

このページの上部へ


〒025-0013 岩手県花巻市幸田4−116−1
TEL:0198-32-1788 FAX:0198-32-1757
HP:http://www.ginganosato.com/
E-mail:l: